いつものように騒がしいモーニング娘。の楽屋。
 今は収録の間の待ち時間で、アタシは特にすることもなかったので、ソファに座って雑誌を読みつつ亀ちゃんと一緒におしゃべりしてた。

 その時、楽屋のドアがバタンと開いた。
 誰が入ってきたのか、何気なく確認してみる。
 おそらく、その人物を確認したアタシが少なからず嫌な顔をしたのを、亀ちゃんには見られちゃったはず……。



  Sweet Maze



「あっ! 里沙ちゃーん!!」
「ゲッ!」

 楽屋の中を見渡し、アタシの姿を確認すると、一目散に走ってくる愛ちゃん。
 隣に座ってた亀ちゃんはクスクス笑いながら、「仲いいねぇ」なんて言って肘でつんつん突っついてくる始末。

「別にそんなんじゃ……」
「そんなに照れなくても〜。あっ、れいな〜!!」

 亀ちゃんは愛ちゃんに遅れて楽屋に入ってきた田中を見つけると、立ち上がってそっちに駆けていってしまった。
 オイオイ……なんかわざとらしいぞ……。

 そうこうしてるうちに今まで亀ちゃんが座ってたところに、今度は愛ちゃんが腰掛けた。
 あぁ、すっごく嫌な予感がする……。
 じりじりと愛ちゃんと距離をとるけど、愛ちゃんも同じようにじりじりと距離をつめてきて、アタシはソファの端っこに追いつめられてしまった。


「ねぇねぇ、またひざまくらして〜!」
「またっ!?」
「いいやん、へるもんやないし〜!」

 アタシの了承も得ないうちに、アタシの膝の上に倒れてくる愛ちゃん。
 上げた髪が太ももにあたってこそばゆいっていうかくすぐったいっていうか……。
 どうやら愛ちゃんはハロモニのゲームのときに味をしめたらしく、最近よくこうやってアタシにひざまくらをせがんでくる。
 ゲームじゃアタシだってわかんなかったくせに……。ていうか本当に2歳も年上か!?


「すべすべや〜、里沙ちゃんの脚〜!」
「気持ち悪いっつーの!」

 ペシッと頭を叩くけど、愛ちゃんは懲りた様子もなく、むしろなんか喜んでる感じが……。
 すりすりと頬をすり寄せてくる。
 最初は本気で気持ち悪かったんだけど、なんだかもう慣れちゃったみたい。
 喜ばしいことなんだか、嘆かわしいことなんだか……。

 まぁとりあえずは放っといてまた雑誌を読み始める。
 足組みたいんだけど組めないなぁ……。
 そんなことを考えながら雑誌を読み続けてると、ゴロゴロしていた愛ちゃんが途中からまったく動かなくなってることに気付く。


「? 愛ちゃん?」
 雑誌から目を離して下を向くと……

「ZZzz。。..」
 ね、寝てるっ!?
 ちょっとちょっと、こんな状況で寝ないでよ! アタシどうすればいいんだ!?
 ていうかそんなに気持ちいいのかなぁ、ひざまくらって……?

 でも愛ちゃんの……う〜ん、なんて形容したらいいんだろう……うっとりしたような? 寝顔をみると「まぁ、いいか」なんて思ってしまう。
 もしこれが亀ちゃんとかだったら「シゲさんにしてもらえー!」ってこのまま落っことしただろうけど。
 なぁんか愛ちゃんは憎めないって言うか……なんでなんだろうねぇ。
 まぁ、もうちょっと時間はあるし、それまでは寝かせてあげますか。

 結局はアタシもまんざらでもないんだろうなぁ、なんて自分で苦笑しながら、
 ふとももの上にある頭を一回撫でてまた雑誌に目を移す。
 撫でたとき顔がさらにうっとりしたのは気のせいかもしれないけど。
 願わくばいい夢見れてますように……。



 それは迷い込んでしまった迷路のように
 さっさと抜け出したいんだけど、でももうちょっと中にいたいような、複雑な気持ち。
 まぁ、もうちょっとこの迷路を楽しんでいてもいいかな、なんて。

 それ以前に出口があるのかわからないけど。






あとがき

同盟入ってるわりにはなにもなかったので、書いてみました、初高新!
こんなんでいいんですかねぇ?
ハロモニネタです。高橋ちょっとアブナイです(マテ
とりあえず甘えたな高橋とだんだんハマっていってるガキさんって感じで。ガキさんは引かせたほうがよかったかな?(笑
ていうか高橋年上に見えない……。

( ・e・)<戻るニィ!