朝起きてテレビをつけるとちょうどごっちんのライブのニュースがやっていた。
いろいろな衣装のごっちんが映し出され、アナウンサーがそれにあわせて喋っている。
実際にライブに行ってもちょっと思ったことなんだけど、
こうして見ると改めて思う。
ごっちん、ちょっと痩せすぎでないかい?
幸せ痩せ
仕事を終えて帰ってくると、私の部屋の電気が点いてた。
出るときちゃんと消したはずだから、点いてるとすれば理由は一つ。
ごっちんが来てるんだ!
それだけで少し足早になってしまう。
階段を駆け上がり、扉の前に立って深呼吸を一つ。
自分の部屋に入るのに緊張するのも変だけど、ごっちんがいるといつもの部屋も魔法の空間にかわる。
「ただいま〜!」
扉を開けるとすぐに部屋の奥からドタドタッという足音が聞こえてくる。
そして少しすると私の視界に愛しい人の姿が映し出された。
「なっち、おかえり〜!!」
「うわっ!」
抱きついてきたごっちんをなんとか支える。
いつもいつも勢いいっぱいで……結構大変なんだよ、支えるのは。
私もごっちんを抱きしめるけど、ちょっと感触が違う。
……やっぱり、痩せてるような感じがする。
「ごっちん、最近ちょっと痩せすぎじゃないべか?」
「え〜、そーかなぁ……」
「そうだべ。ちゃんと食べてるかい?」
そう聞くとごっちんは「ん〜」とうなって上を向いた。
どうやら記憶を思い出してるみたい。
ていうか思い出さなくちゃいけないくらい食べてなかったの!?
「あ゛〜……最近食べてなかったかも……」
「え〜! だめだべ、ちゃんと食べて栄養補給しないと!」
「ん〜、そうか、そうだよね!」
「じゃあ、今日はなっちが夕飯……」
「つくるべ!」と言ってキッチンに向かおうとしたけど、それはごっちんに手を掴まれたことによって止められた。
「どしたの、ごっちん?」
ふり返ってみたごっちんはニコニコ笑顔で。
そしてそのまま笑顔がせまってきた。
「んっ! ご、ごっちん?」
「大丈夫だよ、なっち! ごとーも今日はそのつもりだったから!」
「へっ!? って、おわっ!!」
ごっちんは私を軽々と抱きかかえた。
そしてキッチンに向かおうとしていた私は、なぜか寝室のベッドの上に運ばれてしまって……。
「むふっ! 最近お互い忙しくってしてなかったからねぇ」
「えっ? えっ!? ごっちん?」
「しかもなっちからお誘いしてくれるなんて珍しいしぃ」
そこでやっと理解した。どうやらごっちんは今までのやりとりをイケナイ方向に勘違いしたようで……。
「ご、ごっちん、違うべ! なっちはこれから夕飯……」
「だから、『なっちが夕飯』なんでしょ?」
「ち、違う! 違うべさっ!!」
「あはっ、ここまで来ちゃったらもう無理だよ〜」
「ごっち〜ん!……んっ……」
結局ごっちんは止まりそうになくて……
私も観念してそっとごっちんに身を委ねる。
しょうがない……じゃあ私がごっちんに栄養を補給してあげるよ。
私しか供給できない……愛のエネルギーをあなたに……。
でも……これじゃもっと痩せちゃうんじゃないべか?
あとがき
ただただ甘いだけのなちごま短編。
時期的に春コンの最初らへんですかね。書いたのは秋コンの最初らへん(爆
しかし私が書くごっちんは誰彼かまわず襲いかかってるような……。
いや、これでいいんです! 攻めごまスキーだから!!!(マテ
ちなみにタイトルは「幸せ太り」の逆です!
って、これ微妙に裏じゃ……。