「れいなさぁ」
「はい?」

 今日は仕事帰りに娘。の楽屋かられいなをお持ち帰りしてきた。
 ま、れいなもれいなでしっぽ振ってあたしに付いてきたんだけど。
 こうして二人ですごすのはけっこう久しぶりなので、可愛い年下の恋人はここぞとばかりに甘えてくる。
 今もれいなは、ソファに座ったあたしの膝に頭を乗っけてゴロゴロしてて、そんなれいなを見てあたしはふと思った。

「やっぱりごとーとどっか似てるよね?」
「えっ、そうですか?」
「うん、なんとなくだけど」

 ちょっと前にインタビューでも答えたことがあったけど。
 本人を前にすると、やっぱり改めてそう思ってしまった。



  似てる喜び



「でもですねぇ、後藤さん……」

 起きあがったれいなは、今度はあたしにピタッと抱きついて。
 上目遣いにあたしの顔を見ながら話を続ける。

「後藤さんはれいなみたいに甘えんぼじゃないじゃないですか?」
「ふ〜ん、甘えんぼって自覚はあるんだ?」
「あうっ……ご、後藤さんといるときだけです……」
「あはっ、可愛いヤツめ!」

 そっとれいなのおでこやほっぺたに唇を落とす。
 れいなはくすぐったそうに身体をよじった。

「でもさぁ、ごとーも入った当初は、よくなっちとかに甘えたりしてたよ?」
「えっ、そうなんですか?」
「うん、まぁ……」
「・・・・・・」

 れいなを抱きしめたまま、あたしはソファに背中から倒れ込む。
 ちょうどあたしに被さるようになったれいなの重さが心地良い。

「なに、ヤキモチ妬いた?」
「ちょっと……。でもしょうがないです、知り合う前ですからね〜」
「フフッ」

 たぶんあたしが逆の立場でも、同じようにして自分を納得させたと思う。
 そんなところも似てるんだよねぇ。


「なんかですねぇ、後藤さんと一緒だと、れいなは素直になれるんですよ」
「お〜、嬉しいこと言ってくれちゃって!」

 あたしの上に乗っかったままのれいなの頭を撫でる。
 するとれいなはあたしに頬をすり寄せてきた。

「だから後藤さんも、甘えるなられいなに甘えてくださいよ!」
「え〜? それはちょっと……」
「なんでですかぁ!」
「年下に甘えるっていうのはねぇ、ちょっとキツイ……」

 「れいなだってそうでしょ?」と切り返したら、案の定「うぅ……」と口ごもってしまった。
 年下のコの前だとやっぱりお姉さんでいたい。
 れいなだってきっと小春ちゃんの前では頑張って「お姉さん」してるんだろうなぁ。

「じゃあれいなも他の人に甘えちゃっていいですか?」
「ダメ、怒る!」
「あはっ!」

 れいなはその答えを予期してたみたい。
 いったん身体を持ち上げると、そのまま唇を重ねてきた。

「でもさぁ、ごとーもれいなと一緒にいると、なんか落ち着けるんだよねぇ」
「本当ですか!?」
「うん、本当」

 れいなを抱きしめたまま、ソファの上に起きあがる。
 きっとれいなの前では変に着飾ったり、気を使ったりする必要がないから落ち着けるんだろうなぁ。

「れいなも後藤さんと一緒だと落ち着けますよ!」
「あはっ! ありがと!」

 今度はあたしから唇を重ねて。
 離すと、あたしはソファから立ち上がった。

「う〜ん、そろそろ遅いし、もう寝ようか? 明日も早いしね」
「はい、そうですね」

 れいなも小さくあくびをしてソファを立った。
 そして先に立っていたあたしの腕に、自分の腕を絡めてくる。
 ほんのちょっとの距離だけど、腕を組んだまま移動。


「ほら、おいで、れいな」
「はい!」

 最初にあたしがベッドに潜り込み、
 掛け布団をまくって、れいなを腕の中に迎える。
 れいなを包みこむと明かりを消して、辺りを闇で覆い尽くす。
 闇の中でも確かに感じる、れいなの体温。

「後藤さん?」
「ん〜?」

 抱きしめてたれいながもぞもぞと動いた。
 あたしも顔を動かすと、ようやく闇に慣れた瞳がれいなの瞳と合わさった。

「れいな、とても嬉しいです、後藤さんに似てること」
「あはっ、ありがと」

 少しだけ強くれいなを抱きしめる。
 れいなは抗うことなく、あたしに身を委ねてくれた。

「ごとーも嬉しいよ?」
「本当ですか!?」
「もちろん! あっ、でも……」
「はい?」
「ココはずいぶんと違うよねぇ?」
「なっ!?」

 れいなの胸をつんっと突っつくと、
 れいなはほっぺたを膨らませて、プイッと背中を向けちゃった。
 あ〜あ、まったく、しょうがないなぁ……。
 今夜は背中かられいなを抱きしめて、眠ることにしよう……。






あとがき

はい、イチャついてるだけです!(笑
たまにはこういうもの書きたくなるものさ!
なんでれなごまなのかは、ネタがあったから(ぇ
でも本当にこの二人は似てると思います。

从 ´ヮ`)<戻るけん!